演出家について

平田オリザの演技と演出を読み始めた。

氏の文章は、全くもって理想形である。一文字も無駄がなく、言葉足らずもない。ミーシー、そんな言葉が思い浮かぶ。

さらに言語化能力が優れて高い。

演出という、その道の門外漢には水ものにしか思えない分野を見事に理論立て体系化してみせる。

アーティストやクリエイター寄りの仕事であると思うが、とても研究者に近く感じる。それでいて堅苦しさはない。観客に寄り添っているとでも言おうか。美術館の絵画の前でキュレーターが解説をしてくれるような、そんな安心感を与えてくれる。

どのようにその視点を獲得してきたのか、とても気になる人物である。