ゼロ年代とテン年代
ゼロ年代は確かに来た。そこに音楽の終末感はあったにしろ、最期の灯火のような豊穣はあった。
テン年代は、来たのか。
そもそもが、2011年から始まる年代をテン年代と呼ぶことの共通認識があるのか。10年毎の括りは、必ず必要であるのに、そしてその10年を先導する語り手が居て然るべきなのに、どうなっているのか。
個人的には、テン年代は完全にカルチャーから離れていた。スタジオヴォイスの2007年11月号のオールジャンルディスクガイド以降は何も知らないと言っていい。
だが、どうだ。世の中は。キチンと新しいものが生み出されているのか。
私たちの年代に熱狂があったように、その年代にはその年代の熱狂がある。今の中高生は、何の音楽に熱狂しているのか。大学生のリアルな熱狂は何か。
ゼロ年代に散々語られた、音楽の今後について、何かの回答が出たか。何かが終わったか。何かが勘違いにすぎなかったか。
昨日も今日も明日も、すぐ近くで完全に素晴らしい音楽は鳴っているはずであるが。